春。 吹き抜ける風と共に 桜吹雪が舞いあがった。 林千尋。 中学2年生になったばかり。 春休みの部活練習で いつも学校に来ていたと いうのに何故か今日は いつもと違う気がした。 「クラス掲示見に行こう!」 「あ、うん」 部活の友達に引っ張られて 人だかりの方へと歩きだした。 何でいつもと違うのか。 ただ単に、今日が始業式 だからじゃない。 大好きだった先輩は もういないから。