ドラム女の過去~不良のあいつ~



「気付けよバーカ」

そういって立ち上がって
秋の頭を軽く叩いた。

「わかんないよ」

「はあ?」

「ちゃんといわなきゃ、ウチわかんないから!」

渚はドアの前で一瞬止まってから声を発した。

「・・・・・あっそ」

渚はでていった。


「・・・・何あいつ・・・・」

秋は一人準備室に取り残された。
準備室は生暖かい空気に包まれていた。


教室に戻ると
クラスの大半は秋に集る。

「染谷くんとはどうだったの!?」
「告られたりした~!?」
「いいな~うらやましい!」
口々に声を発する。

ーいや、まじ何にもないからさあ・・・。

苦笑いしていると
丁度目線のさきに
陸也がいた。

ーあ・・・・

陸也が寄ってくる。

「どうだった?」

「ん・・・別に何もなかったよ」

「そっか、頑張れよ」

「あ、うん・・・・・ってえ?!」

秋が気付いた頃には
陸也は通り過ぎていた。