すーっと手を放すと紫海は、安堵した。


そんなイヤだったのか?俺の事…



「先生!バイバーイ!」



「ああ…」



紫海が、帰ってから、犬が俺に近寄って来る。麻美の犬だから俺は嫌って居た。


だけど、麻美に捨てられた同士だと思うと、放って置くことも出来ず今に至る。


「わん!!はぁはぁ…」


「やっぱ俺…嫌いだわ。犬…」



そう言って俺は犬の頭を撫でた。