「俺知らねー!!!」



だだだだ…



あたしにぶつかった人は、一目散に逃げ出した。



なんなの!?ぶつかったのはあいつのせいなのに!!



あたしは、ムカつきながら窓の下を覗く。



バチ…



思わず、顔を引っ込める。下に居たのは、風戸先生だったからだ。



ひぇ~!!!風戸先生だよ!!間違いなく病院送りだよ!!あたし…死にたくない死にたくない!!まだ高校二年生なんだよ?



どうすれば助かるのよ!!?あたしの命!!


もう一度あたしは、勇気を振り絞って下を覗く。
凄い睨んだ表情をした風戸先生が見上げている。



『お前名は!?』



本名言うべき?でも…



「なななな名無しの」


『はぁ!?』



「名無しの権兵衛です!!!!!」



『お前殺すぞ!?本名って言ってんだろ!?』



「く葛原しし紫海です!!」



よし言った!!言えたよ!!あたし…



心臓はバクバク言ってて冷や汗もたっぷり出ている。