じゃあ・・・
「じゃあ、映画
映画見に行こうよ!土日のどっちかで。」
「え?ああ・・・うん
けど俺バイトあるし・・・」
そんなのいいよ。うちの米屋の話でしょ?
「一日ぐらい休んだって大丈夫だって。
私、お父さんに言っておくし。」
俊太だって何もムリしてバイトする必要なんか・・・
だから俊太が『うん、わかった。』って言うとばかり思ってた。
けど
「やっぱムリ。」
あり得ない俊太の返事
それでも俊太も残念そうな顔にでもなってたら私もちょっとはマシな気持ちになったかも知れない
・・・のに
俊太だってその日が八十八たちの留守の日だって忘れてる訳じゃない?
なのに何?
「ちょっとぐらい・・・」
それでもネバるつもりで言いかけた私
に
「コメコ、俺さあ
こっちに帰って来るのにものすごく反対されて
だけど八十八兄ちゃんとかおじさんとかあおいさんとかみんなに説得してもらって
だから・・・」
だから?
「週末、八十八兄ちゃんたちいないの俺だってわかってる。」
チラッと意味ありげな視線を私に投げかけた俊太。
だったら・・・
分かってるなら
「分かってるんなら何よ!」

