「なんだよ!知った風なこと言うなよ!
コメコんちの父さんはいいよ。
俺の親父なんか休日だって会社に行ってて遊んでもらった記憶もないよ。
いっつもヨレヨレで全然カッコよくない。
コメコんちの父さんの方が100倍いい。」
「俊太・・・うちのお父さんなんかカッコよくないよ。」
ハゲでデブだし・・・
俊太のお父さんの方が髪もフサフサでスラッとしてて比べものにならないよ?
と
そんなこと言ったとしても俊太の気持ちはおさまるはずもない。
「コメコさあ、ショウガナイとか思ってる?」
え?
「結構さあ、人ごとだろ?」
「人ごとなんかじゃ・・・」
「だったら、親父に感謝しろなんて言えないよな?」
違う。そんな意味で言ったんじゃない。
けど、今の俊太には私の言いたいことなんか通じない。
「コメコは、ずっとここにいて学校も友だちも何も変わらない。
俺一人ぐらいどってことないんだ?」
「そんなこと・・・」
何か言えば俊太が悪く取るかも?とか思うと余計に上手くいえない。
だから
黙ってしまった私に
「帰るよ。」
急に俊太が立ち上がって言った。
「ま、待って。」
このままじゃダメだ。
時間だってないんだから。
「お、おにぎりあるから・・・」
引き止めようと慌ててカウンターに用意してあったおにぎりを取りに私も立ち上がると
「今日はいい。」
そう言って
「しゅ、俊太?」
「ごめん。」
その『ごめん』が今度は何を意味するのか?
私の方
見もせずに帰ってしまった俊太・・・

