「それとこれとは別だろ?」
呆れたように八十八が言った。
「別じゃないよ!
見てよ、この二の腕!」
八十八の目の前に二の腕見せて力こぶ。
「部活もしてないのに普通にこんな筋肉つく?
こんなの女の子じゃないよね?
だから・・だから、俊太だってゆいちゃんの方がいいに決まってる。
こんなの彼女じゃ絶対にイヤに決まってる。
そうでしょ?そう思うよね?」
捲し立てたあと
「確かに・・・すごい筋肉だな・・
俊太も負けてる」
と頷く八十八。
「なっ・・」
はっきり言われて言葉が無い状態の私に
「でも、それは、舞子の頑張った証拠だろ?
米屋“玄舞”は、舞子がいなきゃ成り立たないんだからな?」
「そっ・・そんなことは・・・」
けなされて
誉められて
なんだか分からないうちに八十八に
「ごめんね・・ゆいちゃん。」
言わされちゃってた私。
それから
八十八がゆいちゃんに
「何があったかだいたい分かってるから。」
と
本当に分かってるのかな?と思う私をよそに
「じゃあ、ゆいちゃんは、今日はこっちで休んで。」
と両親の部屋のドアを開け
「俊太は、俺の部屋で寝ろ。」
と言ったかと思うと
「俺は、舞子と寝るから。」
と八十八。

