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「でね、八十八と舞ちゃんにお店をお願いしたいの。


八十八には、下のお店で舞ちゃんには上のおにぎり屋の方。」


夕食が終わったあと母親が急にそんなこと言い出した。


「何で?」


話が見えない。


「お父さん捻挫だから。」

お父さんが捻挫して何で私たちが?

「米屋の方は分かるけど、おにぎり屋もって?」

「お父さんったらうちにいたらジッとして居られないでしょ?」


だから?

「だから、静養も兼ねて二人で温泉に湯治に行って来ようかと思って一週間。」


は?湯治?一週間も?


「私、学校あるし・・・」

「ほら、午前中からお手伝いに一人来てもらうから学校終わってからでいいのよ。」

「だからって二人で一週間も?」

「たまにはいいんじゃないの?舞子も帰宅部で暇なことだし?」

「八十八!勝手なこと言わないでよっ!」

「俺は、いいよ。親父とたまにはゆっくりして来なよ。」


一人だけいい子ぶって!



「じゃあ、お願いね。」


そう言って

うちの両親


一週間もの温泉旅行



「一週間だよ?2、3日じゃないんだよ?」


「大丈夫だろ?たかだか7日ぐらい。」


信じられない!


八十八の安請け合いに私まで巻き添え?



そして

この一週間の間が・・・?