「どうして?」
私と結婚したいから米屋なん無理してるんじゃないの?
「コメコのおやじさんが憧れの人・・みたいな?」
それって・・・おかしくない?
「分かんないかも知れないけどさあ、保育所時代にコメコんちの前で配達に行くのに出て来たおやじさんが肩にさあ・・」
俊太が肩にお米を担いでる姿をして見せ
「子供には持てないぐらいの量の米を軽々と担いで出てきて、しかもその腕の筋肉がすっげーの。
カッコいいって思ってさあ・・
あれからコメコんちのおやじさんが俺のヒーローってわけ。」
「はあ・・・そうなの。」
うちのあの
あの“ハゲ”親父が・・・ヒーロー
人の憧れって・・・分からない
と思いつつも
なんだか少し
「俊太の気持ち分かった。」
少しホッとした。
俊太が米屋になりたいと思っているのは、強制じゃない。
「コメコを好きなのも米屋に成りたいのもどっちも俺の意思だから。」
「うん。」
俊太が、私のために自分の成りたいものとかしたいことを諦めるんなら絶対に反対
だけど
「ついでに俺の将来設計を教えようか?」
俊太の将来設計は・・・
「まず、子供だけど・・・」
こ、子供・・ってもう?
まだ16歳だよ?
とツッコミたくなるほどしっかり計画されてて・・・
「で、60年後も70年後もコメコといる。」
ある意味
ここまで将来決めちゃうってすごいことかも知れないって思った。
俊太の将来に必ず私がいることも。
そんな今が
まだ高校1年の夏休みの終わりで・・・

