私は彼の後ろに回り、制服についた埃を払って上げる。
「新しい制服なのに、汚れちゃったね」
パタパタと埃を払い、お尻の埃まで払ったとたん、彼が飛び上がった。
すぐに振り向いてお尻を私から隠す。
頬が前よりほんの少し赤くなっていて、笑いを誘う。
「ほら、恥かしがらないの」
「だ、大丈夫です。自分でやりますから!」
「そっか、本当にごめんね。急いでたから」
「いいえ、僕も同じですから」
彼が首を振ると、さらさらの髪が揺れる。
もしかして、私の髪より綺麗かも・・・・・・。
ちょっと嫉妬を覚えつつも、手を上げる。
「じゃあ、もう行かないと」
「あっ!」
私がそう言って分かれようとすると、彼はズボンに手を入れた。
いきなりどうしたのかと見ていると、彼は取り出したブルーのハンカチを私に差し出したのだ。
私は差し出されたハンカチに驚いてしまった。
目は赤くなっているかもしれないが、泣いてないはずだ。
それでも慌てて自分の目に手をやって確認する。
確認してみると、やっぱり涙なんてついてなかった。
きっと彼は私の埃をハンカチで拭く様にって渡そうとしてくれたのだろう。
「大丈夫、さっき自分で払ったよ?」
「いいえ、・・・泣きそうな顔してるから」
「え?」
彼の言葉にドキリとする。
「笑っていますが、辛そうな笑顔です。後で泣いた時にでも使ってください」
「でも、何もないよ?」
そう誤魔化すと、彼は天使のような笑顔を浮かべた。
「1人っきりじゃないと泣けない人っているんですね」
「・・・・・・」
「ハンカチはたくさんあるので返さなくていいです。それでは失礼します」
彼は私の腕を掴んでその手の中にハンカチを押し込むと、彼はお辞儀をして、その場から走り去っていった。
私は呆然としたまま、振り返って彼の背中を見つめてしまう。
ポタリ。と、ハンカチを持っている手に温かなものが落ちた。
視線を落とせば、それはたったひと粒の涙。
「・・・っ!」
後から後から涙が零れてきて、私は貰ったハンカチを目に当てるとしゃがみ込み、声を押さえて泣いた。
「新しい制服なのに、汚れちゃったね」
パタパタと埃を払い、お尻の埃まで払ったとたん、彼が飛び上がった。
すぐに振り向いてお尻を私から隠す。
頬が前よりほんの少し赤くなっていて、笑いを誘う。
「ほら、恥かしがらないの」
「だ、大丈夫です。自分でやりますから!」
「そっか、本当にごめんね。急いでたから」
「いいえ、僕も同じですから」
彼が首を振ると、さらさらの髪が揺れる。
もしかして、私の髪より綺麗かも・・・・・・。
ちょっと嫉妬を覚えつつも、手を上げる。
「じゃあ、もう行かないと」
「あっ!」
私がそう言って分かれようとすると、彼はズボンに手を入れた。
いきなりどうしたのかと見ていると、彼は取り出したブルーのハンカチを私に差し出したのだ。
私は差し出されたハンカチに驚いてしまった。
目は赤くなっているかもしれないが、泣いてないはずだ。
それでも慌てて自分の目に手をやって確認する。
確認してみると、やっぱり涙なんてついてなかった。
きっと彼は私の埃をハンカチで拭く様にって渡そうとしてくれたのだろう。
「大丈夫、さっき自分で払ったよ?」
「いいえ、・・・泣きそうな顔してるから」
「え?」
彼の言葉にドキリとする。
「笑っていますが、辛そうな笑顔です。後で泣いた時にでも使ってください」
「でも、何もないよ?」
そう誤魔化すと、彼は天使のような笑顔を浮かべた。
「1人っきりじゃないと泣けない人っているんですね」
「・・・・・・」
「ハンカチはたくさんあるので返さなくていいです。それでは失礼します」
彼は私の腕を掴んでその手の中にハンカチを押し込むと、彼はお辞儀をして、その場から走り去っていった。
私は呆然としたまま、振り返って彼の背中を見つめてしまう。
ポタリ。と、ハンカチを持っている手に温かなものが落ちた。
視線を落とせば、それはたったひと粒の涙。
「・・・っ!」
後から後から涙が零れてきて、私は貰ったハンカチを目に当てるとしゃがみ込み、声を押さえて泣いた。

