「俺はドキドキした」



「ドキドキしなかったけど、振り払うほど、嫌でもない。だから、晃と付き合うことにする」



こんな最低なことを言う私に晃は・・・



「あの先生には負けるけど、俺頑張るから」




眩しい笑顔で私を見つめる。




「だめ!絶対負けないで。先生よりイイ男になってよ」



晃はそっと私を抱きしめた。



晃の匂い。


タバコと香水の混ざった匂いが、いつの間にか安心する匂いになっていたことに気付く。




「先生のこと、忘れたいわけじゃない。でも、先生を好きだったことをいい思い出にしたいんだ。好きだったことは消えないけど、もう今日で先生への恋は終わりにした」



「身長も、かっこよさも負けてるけど、潤子ちゃんが俺を選んで良かったと思うように頑張るから」