「高校3年の時の担任の新垣です。荒木のこと、よろしく頼みます。荒木は、口は悪いけど、それは本心とは限らないから。気長に待ってやってよ」 先生は寒そうに上着を着ながら言った。 「変なこと言わないでよ、先生!!まだ彼氏じゃないし!!」 「まだ?」 しまった。 晃は目を見開いて、私を見た。 「潤子ちゃんを待てるのは俺くらいしかいないんで、何年でも待ちます」 先生は安心したように笑って、じゃあなと言って歩き出す。 先生の大きな背中にそっと『バイバイ』と言った。