新しい扉―長い長い片思いの結末―




「卒業して2年も経つのに、ずっと俺を想ってたのか?」



先生のこの顔が好き。


ちょっと困ったような切ない表情。



よくホームルームでもこんな顔をしてたよね。




「何人か付き合った。でも、先生以上に好きにはなれなかった」




先生は、そうか・・・と言いながらポケットに手を入れて壁にもたれた。



「今は?」



今は?と聞かれて、私の頭の中に浮かんだのは晃だった。



付き合う可能性がある男は、晃くらいしかいない。


でも好きかどうかはわからない。


便利なだけかも知れない。


誰かが自分のことを好きだということが気持ちいいだけ。