【短】チョコレート・キス



その男は、同じクラスの神山だった。


神山は、かっこいい方だと思う。

サッカーバカだけれど、面白いし。

さっきも、女子から幾つもチョコを貰って、嬉しそうにしていた。


なあ、ユキ。

俺のクラスの奴を好きになるんだったら、俺を好きになれよ。

何で俺じゃだめなんだよ。


神山にとって、ユキから貰ったチョコは、幾つももらったチョコの中のひとつかもしれない。

でも、それは俺にとって、どんなチョコよりも価値がある。



神山なんかに、ユキのチョコは渡さない。


ユキは渡さない…!