「させませんよ」
離れでシャワーを浴びてきたのか。
乾いたスーツに着替えた清水の声がする。
わたしは驚いて、振り返る。
清水は、いつもそうするようにゆっくりとわたしに頭を下げた。
「……授業は?」
「都さんが居ない学校には戻りません」
「あのね」
半乾きの髪のまま、わたしは立ち上がる。
いくらなんでも、教師にあるまじき暴言じゃない?
清水はふわりと、唇を解いた。
「何をしたのか、考えろって言ってあります。
自分が傷ついたからって、クラスメイトに八つ当たり?
それで許される年齢はとっくに過ぎていると私は想いますよ。
だから、今日は自習。
ついでに言えば、校長に付き添ってもらっているので心配はないです」
あ、あの人。
道徳説くの大好きだものね。
適任だわ。
「駄目ですよ。
こんな短期間に二度も傷つけられている。
そんな所にこれ以上行かせる必要はない」
お兄ちゃんは、わたしにではなく直接清水にそう告げる。
低い声は、まるで、良く磨いたナイフを思わせた。
離れでシャワーを浴びてきたのか。
乾いたスーツに着替えた清水の声がする。
わたしは驚いて、振り返る。
清水は、いつもそうするようにゆっくりとわたしに頭を下げた。
「……授業は?」
「都さんが居ない学校には戻りません」
「あのね」
半乾きの髪のまま、わたしは立ち上がる。
いくらなんでも、教師にあるまじき暴言じゃない?
清水はふわりと、唇を解いた。
「何をしたのか、考えろって言ってあります。
自分が傷ついたからって、クラスメイトに八つ当たり?
それで許される年齢はとっくに過ぎていると私は想いますよ。
だから、今日は自習。
ついでに言えば、校長に付き添ってもらっているので心配はないです」
あ、あの人。
道徳説くの大好きだものね。
適任だわ。
「駄目ですよ。
こんな短期間に二度も傷つけられている。
そんな所にこれ以上行かせる必要はない」
お兄ちゃんは、わたしにではなく直接清水にそう告げる。
低い声は、まるで、良く磨いたナイフを思わせた。


