ただ囲むだけでは、止められない。 ただ列を組むだけでは、やすやすと割られる。 押し潰すまえに、自分がすり潰される。 重装兵たちは、一度全力で後退して間合いを作り直すしかなかった。 地面に真っ直ぐ立ち直した、 たったひとりのシルキスを中心に、 数十人の男達が何歩も後ずさる。 シルキスが出来たスペースをゆっくりと歩くと、男達はその分さがった。 シルキスは、静かな顔で魔王殺しを拾う。 手をつたう血が、真っ黒な刀身に垂れて滴る。