奏side


「おっはよ!奏」

「あ、おはよー優梨」



私の名前は二宮奏
今日から高校2年生になる


こっちは親友の川上優梨
明るくて人気者。しかも美人だからモテる!



「ねぇ、今日うちのクラスに転校生来るって」


「ホント?どんな子だろうね!」



ウチの学校は中高一貫校

しかも結構レベルが高いから転校生なんてめったに来ない。


教室は転校生の話題で持ちきりだった。



「ほら席についてー。HR始めるぞ」


担任の声で皆一斉に席に着く。



「あー、転校生を紹介するぞー。…入れー」


全員扉を見つめていて教室内が無音になった。




「失礼します」




……え…?



教室内がざわめきだす。

「隣町から来ました。大崎智です。よろしく」


拍手があがる。



「奏!かっこよくない?転校生」


「……。」


「奏?…おーい!」


優梨が話しかけている声も聞こえないくらい

私は動揺していた。



だって目の前にいるのは
もう会えないと思っていた

忘れられるはずのない





初恋の人だったから。