誰?

夕陽は恐る恐る玄関にむかい、鍵穴から外を見る…と

そこには…大斗がいた。

急いで扉を開ける。


『神崎君!?だい―…『よっ?!』


「大丈夫?」と聞こうとしたが、遮られてしまった。

先程とは違う。笑い顔のいつもの大斗が立っている。


『電話かけようとしたら番号知らないの?!びっくり。毎日学校で会ってたから?携帯開いてやっと気付いたんだ。笑えるだろ?!だから直接来ちゃった。入ってい?』

彼はいつもみたいに夕陽の返事を聞かない。

そして「お邪魔しまーす」と軽く言ってズカズカ部屋に入って行く。


『しっかし、広いなぁ!!俺の部屋なんてここにスッポリだよ』

そしてリビングを見渡してソファーに座る。


『ちょっ…神崎君…?!』


大斗の背中に向かって夕陽は声をかけるが…


『腹減っちゃった。何か食べるものある?』

何ともなかった様に大斗はいつもの調子で言うわけで。

『オ…オムライスくらいは直ぐできるけど…』

つい答えてしまう。

『じゃぁ、チャーハンにして♪』

大斗は、それだけ言うと煙草に火を点ける。

夕陽はなんとなくタイミングを逃してしまい、何も言えずにキッチンに入って行った。


大斗は後はチャーハンができるまで無言だった。

しばらくして、チャーハンとスープを2つずつテーブルに運ぶ。

夕陽も食事はまだだった。

湯気のたつ料理を見つめて


『うまそ♪いただきます』


大斗はやっぱり丁寧に手を合わせて言うと黙々と食べ始めた。



そして、あっと言う間に食べ終わりまた煙草を点ける。


『ごちそうさま。うまかった』


夕陽は何だか、どうしたらいいか分からずに大斗をじっと見つめる。

すると、ははっと笑った彼は

『ビール飲みたくなっちゃった。ある?』

いつもと変わらず勝手…

『な、ない…』

『じゃ買いに行くか?!』

パッと立ち上がると大斗は夕陽を見て、