―――――
―――――――

そんなある日。

『片桐さんいるかな?』

夕陽は教室で南深達と話してると誰かに呼ばれた。

『はーい?』

見ると男の子が立っている。


『わぁ?!立川先輩だよ、ひーちゃんっ有名じゃん?!知らない?』

イイ男を網羅している杏が瞳をキラキラさせて教えてくれる。

『ひーちゃん呼び出しだぁ!!いーなぁ♪なんだろうねぇ?』

南深も嬉しそう。

『し、知らない…』


カッコイイの呼び出しなんて、ちょっと緊張する。


先輩に連れられて中庭について行く夕陽。

『俺、立川直樹(タチカワ ナオキ)って言うんだ。3年。前から片桐さん可愛いなって思ってて、話してみたかったんだ』


どこで、あたしを知ったんだろう?


夕陽は反射的に笑い

『ありがとうございます♪』

と答えた。


神崎君の事、あれこれ言いながら自分も愛想笑いしてるじゃん…。


夕陽本人はまるで意識はないが、愛想笑いだとしても結構可愛い。

先輩達に噂されるのもわかる。


『あのさ、片桐さんが良く一緒にいるの彼氏?』


多分神崎くんのことだよね?


『いえ、友達です…』

すると先輩は嬉しそうに、

『じゃぁ、俺と付き合ってくれないかな?』

とサラリと言った。



わぉ。


あまりにも知らない人だったので、びっくりして先輩の顔を見ると、

『考えといて、帰りにまた来るね』

と言って去っていってしまった。



―――――――


『って言われたのよ。どうしよう?』


ここは屋上。

バイクの免許をとるらしく、教本を見てる大斗に言う夕陽。

屋上はすっかり大斗達の溜まり場になっていた。