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「大斗?あんた結構顔イケてんだから、女を手玉に取ってみたら?」

「何でお前がそんなこと言うんだよ?」

「何でかな?大斗に生きる楽しみ知って欲しいからかな?逆に厳しさも。勝つか負けるかだったら、あたしは上に立っていたい。」

「なんだよソレ?」

「あんたに天下を取って欲しいって事」

「咲…?」

「んー?」

「ばーか」

「大斗がね♪」



「神崎君、好きです。付き合ってください」

「ごめん…。ずっと好きな人がいて…今は誰かと付き合うつもりはないんだ…」


好きな人なんていたことないし



「大斗君。私達付き合わない?」

「俺、付き合うとかいらないんだ。だってそれでもサセてくれるでしょ」


相手の瞳を見て言えば、簡単に思い通り。



「おぃ大斗。店の女引っかけてもいーぞ?」

「なにソレ?」

「お前みたいな暗いヤツは少しは美味しい思いしてみろ。少しは生きる気湧くぞ。俺も若い頃、よろしくしてた」

「なんつー保護者だよ?ひでぇじじぃだな。でもどうしたらいいか知らないし」

「大斗だったら、笑ってればいいさ。面倒だったらわざとすぎる笑顔しとけば上手くいくよ」

「恐いね元ホスト。でもチヤホヤされるのもいいかもな?」

「生意気」


ただ、何でもしてみたかっただけ



「しばらく、会うの止めようかと思うんだ。」

「どうして?大斗君…」

「会わない方が想いが膨らむ気がするから…」

「あたしを好きになってくれるの?」

「そうなるかもしれない」

なんてあるわけないけどね。

もう一生会うことは無いぜ。



女に愛想笑いをするのは都合良く欲を満たせればいいから。


上手い具合に色んな女を摘まみ食い。

その辺に居る女なら"誰か"なんてなく"誰でも"良かったんだ。


咲やしげさんが言った、よくわからない事を鵜呑みにしていただけ。

お陰さまで女に不自由したコトもない。

人に対して感情移入したことなんてきっとない。