――――
――――――

―着信。魔王―


ドキーッ!!

あ…悪魔の呼び出し…?


震える指で通話ボタンを押した。


〈会いたい♪〉


えっ…

はい?

大斗…さん…?

なにをっ…///???


〈夕陽ちゃんに会いたいっ!!〉


大斗?!

ってっ…



『マスター?!』

〈はぁい♪マスターでぇす♪〉

『もうビックリしたぁ!!てっきり魔王が…』


大斗が変なセリフを言ったかと思ったじゃんっ!!


〈ん?まおう?あはは。最近夕陽ちゃんに会ってないからね♪元気かい?〉


『うん…最近スイートブルーに行ってないから…』



でも、なぜ大斗の携帯…?


大斗の携帯から聞こえたマスターの声。



〈良かったら来てくれるかい?てゆうか、そろそろ着くよ♪〉


『え?!』


ピンポーン


〈ほら♪〉

同時に家のインターホンが鳴った。


と言うことは…


『悪魔だ…』

夕陽が〈あははー良いあだ名だ〉と受話器越しに笑っている携帯を掴んだまま玄関を開けると、


『じじぃが呼んでる』


予想通り大斗が立っていて、一言。

夕陽は無言で携帯を彼に渡す。

『はい?』

弾みで出る大斗。

〈あ?大斗?勝手にかけちゃったー♪お前携帯は携帯しないと意味無いだろ?!携帯不携帯〜♪〉

とあっけらかんと、そして楽しそうに話すマスターの声。

『クソじじいっ!!オヤジギャグさみいんだよっ!!死ね!!』


ピッ

一体何が起こってるのかわからない夕陽。

大斗は携帯を切ると

『じじぃがお前に会いたいって駄々コネだして、連れてこいって店を叩き出された。』

と言う。そして

『行く?』

と問う。

『あ、うん』

夕陽はフッと笑う大斗に思わずそう答えた。