―――――
―――――――


クラスが離れるとは

こういう事…

居る場所が離れるとは

こういう事…


それを目の当たりにするってこういう事…


夕陽がイギリスに旅立ちGWは過ぎていく。

その合間の学校の日



あー


死ぬ


後…残り何日だ…




―――――


「ひろ…と?」

ベッドに寝かせた拍子に、うっすら瞳を開く。

虚ろに呟く声。


「朝になったら起こすから寝てろ」

なんとか冷静に言葉をかけた。

少し我に還って、このまま居たらマズイと感じ部屋を出ていこうとする…

と…夕陽はガバッと起き上がり

「独りにしないで!!」

と背中に叫ばれる。

振り返ると泣き出しそうな顔

「行かないで…」

なんとか…なんとか耐え抜いて

「大丈夫、居るから」

そう言った時には、身体は夕陽の所に戻って、彼女を抱きしめ頭を撫でていた。

すると今のは寝ぼけていたのか…スーッと夕陽はベッドに横たわる。


無意識に手を握っちゃっていたのにはその時気付き


そんな安心しきった顔で寝ないでください…


手も離せず、固まって顔をじっと見つめていたら



気付いたら唇に


キス…



ヤバイ…また無意識…


寝てるのに…


とうとう…


やっちまった…


でも、もーいいや。

もう手を離したくない。


さすがに同じ布団に入るのは自殺行為だな。

でも傍を離れたくなくなった。

だから手を握ったまま、ベットサイドで眠る事に決めた。


温けぇ…


――――――



『大斗?!』


バンッ!!


と勢い良くドアが開くと誰かの呼び声。

大斗は「思いだし夢」から現実に戻り始める…


『やっぱり、居た…』

『あぁ…恭次くん…行かないでっ』


『はぁ?何寝ぼけてるの?どんな夢だよ、お前…非常にキモチワルイよ。しかも君付けとか止めろよ』


大斗は恭次を無視し、ごろん。と寝返りをして、うつ伏せ。

バサッと顔に被せていた雑誌がずり落ちた。