多分、あの男と一緒だ。

アイツに電話かければ…




もちろん大斗は雅の番号を知らない。

電話をするには恭次にでも聞かないといけない。


どうしよう…

よくわかんねぇけど、一刻も早く夕陽に会わないといけない、気がした。





違う、俺がただ会いたいんだ。



〈大斗?どうした?〉

『理由は後。いいから戸塚の携帯教えろ』

恭次の電話を切ると聞いた番号にかける。


〈はい…?〉

『戸塚?神崎だけど、悪いけど、夕陽に代わって--
っ―!!!ふざけんな!!アイツ荷物何も持ってねぇんだ!!追いかけろよ!!』

大斗は雅から夕陽が走り去った事を聞いて怒鳴り付けた。

『とりあえず、お前等が別れた場所行くからそこ教えろ。』

そして、その広場は大斗が今居る所と近く、2人はすぐ合流した。


その矢先、大斗の携帯が鳴った。


〜♪〜♪〜♪〜


―着信。スイートブルー―


『はい』

〈大斗?夕陽ちゃん居たから。お前は暫く外で頭冷やしてろ。あと1時間は帰ってくるな〉


ツーツーツー。


マスターはすぐ電話を切ってしまった。


どいつもこいつも

なんなんだよ?


携帯を閉じると舌打ちし、煙草を点ける。

『神崎…?』

大斗は雅が居るのを瞬間的に忘れていたらしい、ギョッとして雅を見る。

『あ…夕陽居たって』

『そっか良かった』


って…すげー気まずい…


『さっきは、ごめん』

雅が謝る。

『いや…』

大斗もたどたどしく言った。

『神崎って夕陽ちゃんの事どう思ってるの?』


どうって…

なんでコイツに言われなきゃいけないんだよ…


『お前に言う必要ない』

『そうかもしれないね…でも夕陽ちゃん「大斗には大事な人がいる」って悲しい顔して言ってた。俺…その話、よく知らないけどさ、夕陽ちゃん…泣かせないで…』

そう言いながら雅は走って広場を後にした。


何なんだよ?

咲の事か?

余計なお世話だ。

言うことウザいんだよ。


しかも…結局、夕陽とコイツはどうなったんだよ…?