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帰り道。

夕陽と雅はスイートブルーの階段の上に来ていた。

『雅君は寄ってかない?』

『俺は今日は帰るよ。神崎居るでしょ?』

『あ。やっぱ…大斗の事苦手?』


そうだよね…大斗素っ気ないし…


『違う違う、そうじゃないんだけど…ただ『あら?あなた…』

雅のセリフは下から聞こえた女の人の声で遮られてしまった。


あ…

この人…

見覚えある…


『今日はまともな格好してるのね?』


嫌みっぽく笑ったその女は夕陽に言った。


あたしが、ちょんまげの時にここで会った人…


夕陽は思い出して恥ずかしくなり下を向く。

すると…


『ユリさん?コレ忘れてない?』

と下のドアが開いて大斗が顔を出した。

大斗からは夕陽達が見えていない。


『あっ♪ほんとだぁ♪ごめぇん♪』

ユリと呼ばれた女は猫なで声と共に階段を降りていく。

彼女が移動したことで、大斗にも夕陽と雅が見えた。


アイツ…


大斗は下から2人を睨み付ける。


『大斗君♪ありがとぉ♪』

大斗からハンカチを受け取ったユリは…

夕陽達を見つめて唖然と固まる彼の

頬に…キスをした。


え…?!

あの人…今、大斗に何した?!


そしてユリは夕陽の元まで再び上がってくると

『隣の人あなたの彼氏?悪いけど、彼氏居るなら大斗君に近づかないでくれる?』

夕陽に冷たく言葉を投げつけるとフィッと行ってしまった。


なっなんなの…


3人に沈黙が流れる。


ムカツク!! ムカツク!! ムカツク!! ムカツク!!


じっと立ち尽くす夕陽はだんだんと怒りが上がってくる。


『―ッ!!なんなのよっ!!大斗が手を出した女にどうしてあたしが嫌味を言われなきゃいけないの?!』


バンッ!!


夕陽は持っていた鞄を大斗に向かって勢いよく投げつけた。

彼はそれを無言でバッと振り落とし


『テメエ何すんだよ?あぶねぇなっ?!』

と機嫌悪く返す。