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空気が冷たい12月。

10日が過ぎた頃、街並みはすでにX masモード。

沢山の飾りが揺らめきキラキラ光を放つ。

あか、みどり、しろ…金に銀…

響き渡る音楽も明るく街を飾る。


遊びに来た夕陽と南深と杏。

拓巳の働いていたカフェLedaでX masメニューに瞳を輝かせていた。


『かわいー♪』

南深がケーキを見つめて声をあげる。


最近、南深って更に可愛くなったなぁ…♪

恭次くんと…

好きな人といるからだよね?

恋って素敵♪


『恭次とは順調?』

杏が問いかける。

『えへへ…ッ』

南深は可愛らしく笑った。

『南深って可愛くなったよねー更に♪』

夕陽が続ける。

『もぅ辞めてよ。あたし、やっと色んな状況に慣れてきたとこだしっ///』

顔を真っ赤にして話している。

『『みぃちゃん素直っ♪』』

夕陽と杏は微笑んだ。


友達が幸せそうなのってなんて気持ちが暖かくなるんだろう…


『それにしても拓ちゃん先生がここにいたんだー?!』

辺りを見渡して杏が言った。


夕陽はあれからよくこのカフェに来ている。

気持ちはとても穏やかで、おいしいケーキを食べる為にやってくる。


『同じセリフ前に大斗も言ってたよ』

夕陽は何気無く言うが、杏は何を思ったのかにこにこしながら


『神崎とどうなのか、いい加減薄情しなさーい!!』


とフォークで夕陽を指差して問いかける。

『はぁ。だからね、あんちゃん…違うから。大斗は仲良しの友達だってば。好きとかないよ』

『そぅなのー?!それにしても仲良くない?』

『もうっ!!大斗は友達。あたし「恋」をして辛くなるのは暫く休みでいいんだ。楽しい学校生活送れたらそれでいいの』

と頬を膨らませてケーキを口に運ぶ。


そうだよ…「恋」なんて今はいらないんだ


『でもね、恭次が言ってたよ♪』

南深がにこにこ続ける。

『珍しいって♪』


えっ?!