『夕陽ちゃん…久しぶり…。呼んでくれて…本当にありがとう。』

結衣は今にも泣きそうな顔をして夕陽に話しかけた。

咲の元に飲み物を持ってきた大斗も拓巳達を見つめる。


『あんた、ちょっと行ってきなよ』

咲は拓巳達を見つめたままジュースを受け取り大斗に言った。

大斗は咲に何も言わず夕陽達に近寄り


『小田桐久しぶり♪ちょっと俺の飲み物飲んでけよ』

と話しかける。


『ゆ、結衣さんもどうぞ』

夕陽もハッとなって大斗の言葉の後に続けた。

夕陽と結衣はぎこちなくテーブルに座る。


『悪いな』

拓巳は大斗に小さく言うとカウンターに向かった。


『あ。咲』

そこに来るとやっと咲に気付いた拓巳。

『咲ちゃんに気付かないって、どういうことよ?!』

咲は笑いながら拓巳を睨み付ける。

『悪い悪い。』

拓巳は、困った顔で笑って「ありがとう」と大斗と咲に言った。


――――――


『来てくれてありがとうございます』

笑顔で結衣に言う。

『夕陽ちゃん…』

『あたし、今本当に大丈夫です…。結衣さん!!あのっ昔、すみませんでしたっ!!』

と勢い良くガタンと席を立ち上がってガバッとお辞儀をする。

クラス中が2人に注目する。


しまった…。

だ、だめ…かも…

泣きそう…


夕陽は顔を上げられなくなってしまった。


『夕陽ちゃん!!謝らなきゃいけないのはあたしのほう…』

『ち…違うんです…あたし、何もできな…くて…逃げて…結衣さんが…た、拓ちゃんにも…で…ちが…あの。。。』

夕陽は何を言ってるか自分でもわからなくなってしまった。


どうしよう…ここ、教室なのに…動けない…

涙が…っ


その場で固まってしまう。

周りがざわめく。


―!!


『夕陽、行くぞ!!』


えっ…?!大斗?!


ため息の後、咲に「ちょっと行ってくる」と言った大斗は夕陽達の席に向かっていた。

『こいつ、借りてきますね』

と結衣ににっこり言った大斗は強引に夕陽の腕を引っ張って教室の外に連れて行く。

『ちょっと…ひ、ろと?!』