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『こ…ここです…』

『何で敬語だよ?』

入り口を目の前に看板を見つめ、ぎこちない夕陽に大斗は突っ込む。


【Cafe Leda】


『―…ここ…、昔拓ちゃんが働いてたとこ…今から思い出を塗り替えるの。あれから一度も来てなかったから。一緒に塗り替えましょう?』

と気まずそうに大斗の顔を見る。


しまったっ!!あたし言ってる事変かもっ?!


『何でお前の記憶の修正に俺が巻き込まれるんだよ?』

やれやれと苦笑い。

『だだだって…思い付いちゃったんだもん!!でもね、ここのケーキ美味しいんだよ!!』

夕陽は必死に話す。


なんでだろう…?

だって…大斗と…来たかったんだもん…


『本当、お前はおもしろいヤツだよな?わかった。塗ったくってやろうぜ!!』

「アハハッっ間抜けな顔~」と夕陽の顔を指差してお腹を抱えて笑う。


『大斗っ今日はあたしの奢りだよっ!!』

夕陽は頬を膨らませて真っ赤になって財布を出す。


『はいはい。じゃあ今日はお言葉に甘えるよ。』

大斗の言葉に笑顔で大きく頷いた。


『それにしても、そのふざけた財布は何だよ?』

夕陽は拓巳にもらった財布はもう持っていなかった。


『ずっと…あれ使うのも、ね…可愛いでしょ?千円だったの♪』

「雑貨屋で買ったんだ」と苦笑い。

『あそ』

興味なさそうに大斗は返した。