『俺、別にその時楽しければいいと思うし。それからは、その後成るように』


聞きようによったら結構嫌なセリフ…


『片桐さんも楽しみなよ。』

何を思って言うのか、ニッコリと大斗は言った。


よく、笑う人…


『ねぇ?それって励まし?』

『ねぇ?コーヒー飲める?』


ちょっと質問の答えになってないんだけど


『…うん。』

つい返事をしてしまった。

『お姉さんー!コーヒー2つとデザートねー!』

大斗はウェイトレスに向かって叫ぶ。

何だか機嫌が良い。


しばらくすると、コーヒーと苺パフェが届けられた。


『はい、片桐さんのね。最初に頼んでたんだ。今日はごめん。俺わりと考えなし好き放題だから120円のお礼。財布あの時、片桐さんに会ってなかったら確実に俺のにしてたし』


そういってパフェを差し出す。


『お礼を言うのはあたしの方よ…』

彼女のセリフを遮って

『勝手に頼んだけど、あんた苺パフェっぽくね?』


どんな意味?!どんな基準なの?!

でも、嬉しいかも…。

この人は自分勝手で強引だけど、ちょっといいヤツかも?

あたし物につられたかな?


『ありがとう…』

夕陽は少し顔が赤くなって下を向いた。

コーヒーを飲む大斗はそれに気付いていない様だ。

苺フェアらしく、限定パフェはとてもおいしい。


『家どこ?』

彼は突然聞いてきた。

それから中学の話や住んでる所など色々話した。

大斗は学校から自転車ですぐの所に住んでる。中学の時から独り暮らしをしている。


なぜ独り暮らしか気になったけど聞けなかった。そんな空気だった…。


バイトで、BARのバーテンみたいな事をしてると言う。


『オレ、ちゃんとした料理できないけど、なんていうか洒落た店でね。朝まで忙しくて、学校そっちのけー。わははっ』

なんて明るく言う。


『神崎君…高1よね?法律違反…』

『そ。まだ15歳。まぁツテでね。マスター学校こんなに行ってないのはまだバレてないし、バイトのことは学校にバレてません!』


『そういう問題ではないと思うけど…』