『まだ…すっ…好きで…好き…。何で…学校にいるの…?』


本当はずっと会いたかった…


『好き…だったの…』


抱き合ったまま夕陽は大斗の顔を見て話した。


泣きすぎて化粧は全て落ちていたが、気にする余裕なんてない。


『教育実習生…だな』

冷静に呟く大斗。

『お前が好きなヤツはセンセイなのか?』

夕陽はフルフル首を振る。


『違う…先生??たく…ちゃ、こうこう…せい。ヒック・・・でも…学校…いた』


『落ち着け。高校生だったのは、いつの話だ?実習生はまだ大学生だ。お前のずっと好きなヤツがあいつだってことなんだろ?』


首だけで夕陽は頷く。

瞳に溜まっていた涙が散った。


『言えよ。ツカえてるモンあるなら聞いてやる。黙ってるより、お前は想いを口に出せ!!』

大斗は夕陽の顔をしっかりと見据えて言った。


『ほらっ!』

夕陽を浜に座せる。


太陽に焼かれた砂が熱い。

身体を焼き尽くそうとしてるみたい…


大斗はその隣に静かに座った。

海の向こう、遠くの雲を見ながら夕陽は小さい声で話し出した。



『おだ、ぎり…た、くみ。中学…2年の、途中まで…付き、合っていたの。』



ねぇ?

拓ちゃん…

あたし


あなたにまた会ってしまった…