『彼女とか、いらんな。面倒』


そして淡々と言う。


『片桐さんは彼氏とかいないのぉー?』

抑揚なく彼は問う。

とりあえず聞いとこうかなと、あまり興味はなさそうだ。

『3日前に別れた…』

外を見ながら遠い目で夕陽は答える。

勢いで付き合ってた人、あっという間に別れてしまった。


『あっ。ゴメンね、聞いちゃった♪』

大斗は悪びれた様子はなかった。

『ちょっと。もし、あたしが別れにキズ付いていたら可哀想じゃん!落ち込む言い方よ確実に』

と言いつつ全くキズ付いてないのだが、それに気付いてるのか彼はニヤッと笑い

『好きじゃない人と付き合って面白い?』

と冷静に問掛ける



あたしの思ってること顔にでてる…?


『自分が浅いってのは分かってるけど、独りで居るよりかは、ずっと…いい』


自分でも良く分かってる…


『そういうもんかぁ、そっかもね。俺は付き合ったりしないけど、別に困んないし。』

女に困らないという意味を持つ余裕の発言だと感じられた。


全く…