塾の自習室。大きな窓から見える景色は夜の帳に浸食されている。 見つめれば吸い込まれてしまいそうな、闇。 暗闇。 ため息が落ちる音。 あたしはそれをまるで他人事みたいに聞きながら、連立方程式を立てる思考回路を自ら断ち切った。