「まただわ……」
三島栄子は呟いた。

玄関の外側の
ドアノブ。紙袋が
引っかかっている。

おそるおそる中を
確認する。

入っていたものは、
口紅と櫛。

二週間前から、
月曜の朝、
こんなことが
続いている。

誰かが贈り物を
しているのだ。

ドアノブに紙袋を
引っかけて。