そんな期待を込めて、あたしはそっと後ろを振り向いた


…瞬間、大声をあげるハメとなった。




「ああ゙ーッ…!!」



「何だよ未来!うるせーよお前」



「ご、ゴメン寛司…」




そう謝りつつも、あたしは目の前の人のせいで、頭がパンパンに膨れていた。


だって、寛司の従兄弟であり、編入生の“レンくん”は、紛れも無く異世界から来た騎士のレン本人だったのだから。




「レン、コイツは腐れ縁の未来だ」



「未来チャン、ねぇ?なかなかいいキャラしてるね、彼女」




そう言いつつも、他の人にバレないようにニヤニヤと視線を送ってくるレンは、あたしの勘違いなどではなく、完璧にあのレンだ。



でも、おかしい。


どうして寛司の従兄弟として存在しているのか、はたまたこのクラスに編入してきたのか、謎がたくさんある。



考えた末に、あたしは肩に掛けていたスクールカバンの中から水筒を取り出し、


…容赦無く、レンにぶち撒けた。




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