「顔滅茶苦茶じゃん、お前」



「き…気にしてんだから、そこ突っ込まないでよ、寛司…!」




ムキになって言い返すと、寛司はいつも通りの意地悪い笑みを浮かべて、あたしの髪の毛を掬った。


サラサラと流れていく、あたしの髪の毛。


この時間が、いつまでも終わって欲しく無かった。




「俺はずっと、空から未来を見守るからな」



「寛司…」



「そろそろ俺も帰らないとな、天界に」




空を見上げた寛司は、あたしから離れると、純白の翼を静かに羽ばたかせる。


そろそろ、時間みたいだ。




「本当はずっと未来の傍に居たい。天界だの神だのを信じたくない。だけど俺には、使命が待ってるから」



「寛司…」



「未来が地球を護り抜いたように、俺も現実に立ち向かってくる。だから未来、

―――ずっと、俺はお前を大切に想っている。この事を忘れんなよ?」




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