レンのおデコチュー事件から、一週間が経っている。
あれからのレンは、あたしに以前と変わらない様子で接しており、キスの意図も不透明なまま。
レンがあたしの事もどう思っているのかはもちろん、どうしてあんな事をしたのかも分からないままだった。
もう立派な高校二年生だというのに、おデコチューくらいで動揺するあたしは、どれだけ純粋なのだろうか。
恋愛経験が無さ過ぎる自分をあざけ笑いながら、あたしはレンと寛司と共に、空気が澄んだ道を歩いた。
無意識に左手で、クロスのペンダントを触る。
そして右手で、スカートのポケットに入れた、四つのチャームに触れる。
あとどれくらい、あたしはレンへの気持ちを、隠し通さなければいけないのか。
そして、この過酷な試練に、立ち向かわなければならないのか。
「未来ー、今日の数学の宿題写させろよ」
「誰がバ寛司なんかに!ねぇレン!」
「千円でなら写させてあげるぞ、バカンジ」
「ちょ…!二人揃って俺を罵(ののし)るなよ!」
少しだけでいい。
あたしはずっと、この三人で笑い合っていたいよ。
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