「Crossing and seal!」
チャームを封印する呪文を唱えるのと、身体がブラックホールの中に完全に吸い込まれたのは、ほぼ同時だった。
漆黒の闇の中、頭が吹っ飛びそうな引力を体験しながら、あたしの記憶は段々と薄れていく。
―――「ミライ、後は任せたからな…!」―――
レンの声が、フラッシュバックする。
ごめんね、レン。
出来る限りの事はしたけど、もしかしたらあたしは、この世界を救えなかったかもしれない。
寛司を護る為に、レンは犠牲になってくれたのに。
レンはあたしに全てを託してくれた。
だけどあたしは、チャームを封印する事はおろか、自らの命まで無駄にしてしまったかもしれないんだよね。
…聞こえていますか、オキカ様。
貴方の大切な神々の暴走を止めるには、あたしやレンの力が無いといけないんです。
だから、どうか…
チャームの封印が、成功していますように。
そして、
次に目を覚ました時には、あたしの大好きな人達の笑顔が、見られますように。
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