クロスの一言一言が重く感じられるのは、きっと自分の心の中に甘えがあるから。
レンと寛司はもう居ない、という現実を、受け止めたくなかったから。
クロスによって、自分に圧し掛かっている使命が、どれだけ重大なモノなのかを実感した。
あたしは…甘えてばかりだったんだ。
そんな大事な事に、今更気付くなんて…。
「クロス、こんな情けないあたしだけどさ…また協力してくれる?」
―――「当たり前だ。ミライと俺は“相棒”なのだからな」
声が、聴こえる。
力が、湧いて来る。
あたしはクロスの杖を握り直すと、反対の手の甲で、流れ出して止まらなかった涙を拭う。
クロスの言葉のお陰か、何故かピタッと涙は止まった。
ゆっくりと立ち上がった先には、レンと寛司を吸い込んだブラックホールがまた出現し、電線を千切り、電信柱を容赦無く吸い込んでいた。
―――「ミライは一人では無い。チャームを封印し終わるまでは、俺がいつでも傍に居る。共に戦う仲間が居る事を忘れるな」
「うん…!」
―――「では、戦うぞ、ミライ!」
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