「クロ…ス…?」



―――「何だ?」




あたしの本能が創り出した夢の世界ではないのに、あたしはクロスと会話が出来ている。


杖が声に反応するように、疼いているのが分かる。


クロスはきっと、この杖からあたしに話しかけてくれているんだ。




―――「ミライ、お前は今何を思っている」



「何って…」



―――「一人ぼっちだ、もう仲間が居ない、自分って可哀想。そう思っているのなら、この地球は破滅した方がマシだ」




クロスの言葉に、胸が痛む。




―――「ミライはチャームを集める為に、大切な人を護る為に、世界を護る為に、俺の力を受け取ったのだ」



「そ、そうだけど…」



―――「弱気になってどうする。この世界を救えるのは現時点ではミライ、お前しか居ないのだ。お前が“諦め”を選択すれば…

どうなるか分かるだろ?“死”の世界が人々には待っているのだ」




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