「ミライ、俺によく掴まってろよ?」



「え?」




その言葉と同時に、レンの胸にあったあたしの手は、レンによって首元にギュッと巻きつけられる。


分かりやすく言えば、赤ちゃんが親に抱っこされているような体勢に近い。


レンの顔が間近に見えて、あたしは恥ずかしくなって、咄嗟に顔を背けた。




「よく見とけよ。俺がこの場を凌いで見せるから」




その一言で、あたしを抱えたまま、レンは銀色の翼をはためかせて急に加速し始めた。


まるで風になったような、そんな気分になる。




「―――っ…!!」



「あそこ、か」




レンの呟きと同時に、あたしは足元で、何らかの違和感を感じた。


そっと視線を足元へと持って行く。




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