静かなこの町は、嫌い。
家だけでなく、自然もブラックホールに吸い込まれているみたいで、この間復活させたばかりの森の一部も、ポッカリと穴を開けて無くなっている。
せめて、チャームを封印する手掛かりさえあれば…。
あたしは今までに封印したチャームを、制服のポケットから取り出す。
茶、緑、青、全てが透明な輝きを持っていて、それでいて心を奪われる。
ねぇ、チャーム。
アナタ達の大切な仲間は、一体何処に潜んでいるの?
そう問いかけてみても、答えてくれる筈も無く。
「とりあえず、このまま走り回っていても時間の無駄だ。どうにかして、チャームを俺達の所まで引き寄せよう」
「でも、どうやるんだよ」
レンの提案に、寛司は素早く食いつく。
寛司はクロスやソードの力を持っていない為、チャームを目の前にして、何も自分を護る術がない。
だからか、話し合いにはしっかり参加しようとしているのが、はっきりと目に見えた。
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