舞台袖に集まる人の視線が、あたしとレンに向けられる。
それでも、あたしの口は止まらない。
「あたしにはちゃんと、好きな人が居るの!」
「ミライ…」
「ずっと気持ちに蓋をしてて、知らんぷりしてた。でももうこの気持ちに嘘は付けないの…!」
レンの手が、あたしの頬を彷徨う。優しく、ゆっくりと頬を撫でていく。
その表情は、やはり苦しげで、そしてとても悲しく見えた。
なんでそんな顔するの?レン…。
「そうか。無神経な事言ってごめんな…」
「ううん、別にいいの。その人好きな人が居るから、あたしはただ見守る事しか出来ないし」
自分で言っておきながら、なんだか虚しくなってくる。
レンは頬から手を離すと、クシャクシャと頭を掻きむしり始めた。
このままレンに告白なんか出来ない。
だって、理科準備室での寛司の痛々しい表情が、脳裏に焼きついてしまっているから―――
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