「何だ?直前になって怖気づいてるのか?」
「ば…バカ!そんな訳ないじゃん!」
「ふーん」
身長の高いレンが、あたしを見下ろすように見てくる。バカにしたようなその態度に、思わずカチンと来た。
思いっきりアッカンベーをお見舞いしてやったあたしは、レンから視線を外し、後夜祭の為だけにセッティングされたステージを視界に入れる。
昼間は展示をしていただけの地味な体育館は、生徒会を中心にして、花や銀テープが飾られている派手なステージへと変化していた。
生徒会の力の入れように、開いた口が塞がらない。
「わぁー!凄い豪華なんだね」
「噂によると、文化祭の予算の半分はコレに使ったって話だぜ?」
セットを見て呆然としていると、ちょうど後ろから愛海ちゃんと寛司の声が耳に入る。
振り返ろうとした瞬間、あたしの肩に何か温かいモノが乗ってきた。
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