もうバレてしまったからには、寛司にも協力して貰おうと考えたあたしは、手を合わせてお願いのポーズを取る。
そんなあたしを、寛司の困惑したような声色が襲った。
「何か…急すぎてイマイチ理解出来ねぇよ…」
「寛司」
「確かに俺には話せない内容だったかもしれない。だけど…それでも俺を頼って欲しかった」
寛司はイスから立ち上がると、あたしを覆うように手を伸ばしてくる。
そして…ゆっくりとあたしを抱きしめた。
「か…かんじ…!!」
「未来、もう少し俺を頼れよ。俺はもう部外者じゃねぇんだから、辛かったら俺に甘えろって…」
「…寛司」
初めて肌で感じた寛司の体温に、あたしの胸の心拍数はどんどん上がっていく。
だって、初めてだったから。
こうやって、寛司にギュッと抱きしめられるのは。
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