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ガチャリと、今にも壊れそうな錆びた鍵を閉めると、寛司は奥の方に居るあたしに近付いてくる。


特別教室棟は文化祭で使用されていない為、適当な空き部屋を選んで、此処へ寛司を連れ込んだ。


日当たりが悪いこの部屋は、理科準備室という所で、主に理科系の授業で扱う道具が、綺麗に整頓されていた。



近くにあったイスに腰を降ろした寛司は、立ったままのあたしを見上げて、話を切り出す。




「此処に俺が連れて来られたって事は、話してくれるって事だよな?未来…」



「…寛司は、誰にも話さないでいてくれる?あたしを信じてくれる?」



「当たり前だろ。俺達いつからの付き合いだと思ってんだよ」




その言葉が引き金となり、あたしは寛司に全てを明かす決意をした。



ごめんね、レン。

あたしは寛司を、見捨てられなかったの…。




「地球はね、このままだと滅亡しちゃうんだ…」



「は?」




そっとクロスのペンダントを握り締め、あたしは俯いた。




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