今回は意識を失わなかったあたしは、レンと共に足早に噴水の前を去った。


チャームを封印した事により、傷付いた校舎や、気絶して倒れている人々、全ての状況が改善されていく。


あたし達がチャームを封印して少し経った頃には、全てが「元通り」となっていた。



そう、先程の現実は無かった事となったのだ―――




「…文化祭、続行出来そうだな」



「そうだね」




青色のチャームが、あたしの手元に残る。封印した直後に、レンがあたしに託してくれたのた、大切な大切なチャーム。


クロスとソードはそれぞれペンダントとピアスに戻り、本来の役目を終えていた。


クロスのペンダントを首に付け終わった所で、レンが思い出したように口を開く。




「そういえば後夜祭で、告白大会があるな」




―――ズキン。

すっかり忘れて掛けていた現実が、レンの言葉によって鮮明に蘇った。




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