私は何と言っていいのか分からず、動きが止まった。

そんな私の顔を浩哉が覗き込んだ。

彼と正面から目が会って、ますます私は分からなくなった。

「希菜ちゃん?どうかした?」

「・・・人が居る・・・の」

「だあれ?」

「誰だろう。リカコの知り合いではない人。高野浩哉と言う人」

「高野浩哉?希菜ちゃんはその人とは前から知り合いなの?」

「前から知り合いじゃないよ。最近知り合った」

「ふーん、その人が居るとリカコは行っちゃだめなの?」