「希菜さんは十年って言ってたから、十九の時に発病したの?」

木の葉が揺れた。

まるで魔法に掛かって、命を吹き込まれたかのように…

私は生きているように風に揺れる木の葉を凝視した。

私はいつ発病したんだろう?

少なくても十九歳よりは前のことだ。

「もっと前だと思う」

「そう、そうしたら希菜さんの方が余程、大変じゃないか・・・あまり、病気のことは話したくない?」