今までも何度か私は彼女の怒りに触れたことがあるが、いつも彼女の怒りを鎮めることは、私には出来なかった。

カフェの裏の小さな人工的な森へ、彼女は私を連れて行った。

都会の森は静まり返ることはなく、絶えず雑音が響いていたが、人の気配は全くなかった。

リカコは憚る事なく、感情を剥き出しにした。

彼女にとって、私はもう他人ではないのかもしれない。

おそらく私は彼女の中で、彼女自身の思い通りにならない部分として存在しているのだろう。