そのままリカコは、私を出口へとぐいぐいと引っ張る。

私は引っ張られながらも、鞄から財布を取り出して、五千円札を引き抜いた。

そして出口へと引き摺られる途中、慌ててレジの上に伝票と五千円札を置き

「これでお願いします。お釣りはいいです」

と言った。

店員の怪訝そうな顔が、少しだけ視界に入った。



リカコが怒ると、もうどうすることも出来ない。