「明日、俺の事務所に連れて行ってやる。休みで誰も居ないから、色々教えてやるよ。明日は仕事じゃなくて練習だ。それで明後日から出勤するといい」

明日は練習・・・明後日から出勤・・・彼の低い声が頭の中で繰り返されると、私はドキドキして来た。

不自然なドキドキではなくて、期待が膨らんだ為のドキドキだ。

しかし心配な気持ちも起こって来た。

彼はせっかく仕事を減らしたのに、私の面倒を見ることで結局、仕事が増えてしまうのではないだろうか?

快復してきた体調がそれで崩れてしまったらどうしよう・・・私は浩哉の黒い瞳を見つめて言った。